早いもので平成29年も残すところあと4か月余りとなりました。
経営者の方の中には、「そろそろ決算対策も」と気にされている方も
いらっしゃるかもしれませんね。
今回は、節税対策のほか、赤字決算の場合でも節税に役立つ方法をお伝えします。
平成28年7月に中小企業等経営強化法(以下「経営強化法」といいます)という法律が施行されました。
この法律は中小企業の「稼ぐ力」を支援して、文字通り「経営を強化」することを目的としています。
その具体的な措置として、現在は設備投資に対する減税措置である「即時償却」
または「税額控除」が適用可能となっています。
この制度を利用可能な納税者は
・資本金1億円以下の法人等
・従業員1,000人以下の個人
です。
適用対象者が幅広く設定されていますので、設備投資を予定している事業者であれば
ほぼ適用できる制度となっています。
この制度は、平成29年4月1日から平成31年3月31日までに取得した資産について適用できます。
経営強化法による即時償却の対象となる資産は次の通りです。
・機械装置(160万円以上)
・工具、器具及び備品(30万円以上)
・建物附属設備(60万円以上)
・ソフトウェア(70万円以上) ※カッコ内は1個あたりの金額
上記のような設備を新規で導入したい場合には、この制度を利用することで節税対策が図れます。
また、設備を取得する場合だけではなく、所有権移転外ファイナンスリースの場合にも適用可能です。
(所有権移転外ファイナンスリース取引の場合は、税額控除のみ適用可能)
適用を受けるための原則的な手続きは次の通りです。
①取得する設備について、「工業会の証明書を取得する」(A類型)又は
「経済産業局に投資計画の確認を受ける」(B類型)のいずれかを行う
②「経営力向上計画」を作成して①の書類とともに事業別の主務大臣に申請し、
認定を受ける。
③設備を取得する。
④税務申告書に①②の書類を添付して申告することにより、「即時償却」又は
「税額控除」の適用を受ける。
上記のとおり、大きく分けると4段階の手続きが必要です。必要な手続きや作成書類が多く、
事前準備が重要な制度設計になっています。
この経営強化法による制度を利用した場合、即時償却や税額控除以外にも節税効果があります。
それは「対象資産に係る固定資産税(償却資産税)が3年間に渡り、2分の1に軽減される」
というものです。
即時償却や税額控除は、「利益を圧縮して法人税等を軽減する制度」であるため、
利益が少ない場合や赤字決算の場合には節税効果がありません。
しかし、固定資産税(償却資産税)は利益の有無に関係なく、
「資産を持っていることに対して課税される税金」であることから、
たとえ赤字企業であっても節税効果が期待できる制度となっています。
この制度はさらに、設備投資時の融資についても金融支援を受けることができます。
設備投資を予定している事業者の方は、適用をご検討ください。
詳細は中小企業庁のホームページでも確認できます。
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