2018.03.16 | 未分類

しあわせの黄色い

出張先の軽井沢で。

 

だんだんと暖かい日が多くなってきました。この時期になると、卒業や入学、入社の準備に忙しくしている人もいるのでしょうか。自分はいつのまにか、「卒業」や「入学」「入社」といったイベントから遠のいてしまいました…。

 

そんな季節柄か、先日郵便局に行った際、お店の中で新しい生命保険について、配りものをしている女性がいました。ちょっと急いでいたので用事を済ませて外に出ようとその女性の前を足早に通りました。すると、私が通り過ぎようとした瞬間に、絶妙なタイミングで女性の手が「すっ」と出てきたのです。私は普段、町では配りものをあまり受け取らないのですが、反射的に目の前に飛び込んできた「黄色い物体」を手に取っていました。後ろを振り返ると、その女性が「ありがとうございます～。○○保険よろしくね～」やさしい笑顔を振りまいていました。

 

「うまいなー」と思わず感心してしまいました。受け取ったものをよくよく見ると、保険を宣伝するチラシ、ポケットティッシュ、ウエットティッシュのセットで、目立つようにか全て「黄色」で統一されていました。女性の手が出てきてから私が受け取るまで、ほんの0.1秒程度の時間だったと思います。その0.1秒でその女性は「受け取るまい」ときめている私の心を、ちょっとした驚きによってこじ開け、見事にチラシを受け取らせたのです。相手を自分の思うようにコントロールするのは、できそうでできないことですよね？おそらくその女性は、いままでの経験から「どのタイミングでチラシを差し出すのがベストか」を掴んでいたのだと思います。「どんな仕事にも経験と継続した努力に勝るものはない」と改めて感じました。そう思うと、これからは町で配られているチラシやティッシュも受け取れる心の余裕も持ちたいな、と思います。

松橋丈雄（税理士・長野市）