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2019.06.10 | 会計・税務

会社設立Q&A-株式会社と合同会社どっちがいいの?

「会社を設立しよう!」と決めた方が迷ってしまう点として「株式会社、有限会社、合同会社などの「会社の種類」をどうするか?」というものがあります。

各会社形態の特徴

「どの会社形態がいいのか?」と言われても「その前に「会社形態」事態よくわからない」ですよね?そこで、一般的によく聞く「株式会社」、「有限会社」、「合同会社」の3つについて説明したいと思います。それぞれの形態の概要をカンタンにまとめるとつぎのとおりです。

少し関係性がわかりづらいと思うので、図を使って説明しますね。

図1のように「株式会社」の場合、「会社は誰のもの?」と言えば、自分のお金を出資して会社を作った「株主」のものです。

そして「株主」は自分では会社を運営することができないので、「取締役(社長)」を任命し、自分の代わりに会社を運営してもらいます。

ただ「株式会社」のうち、多くの中小企業では「株主」=「取締役」となっていて、社長が株主であることがほとんどです。一般に「社長が会社のオーナー」というイメージがあるのもこのためですね。

図3「合同会社」の場合は「社員」と呼ばれる役割の人がいます。この「社員」は株式会社でいう「株主」と「社長」の両方を兼ねる人です。

先ほどの図2のように、株式会社でもほとんどの中小企業では「株主」=「取締役」となっているとお伝えしましたが「合同会社」も「オーナー=運営者」なんですね。ただ「合同会社」の場合、法律で定められているところが「株式会社」と異なる点です。

また「有限会社」は平成18年以降、法改正により新たに設立することができなくなりました。現在では有限会社を設立することができないため「有限会社=社歴が長い会社」として、よいイメージを持たれるケースも多いようです。

いま会社を設立しようとすると「株式会社」と「合同会社」のどちらかを選ぶことになります。ここまで書いてきたように、社長が一人で会社を設立する場合には「株式会社」と「合同会社」で違いはないようにも思われます。有利不利はあるのでしょうか?

「合同会社」が有利な点

設立費用が抑えられる

合同会社の有利な点として、設立費用が抑えられることが挙げられます。これは「法律上、必要とされる登記費用」が、株式会社に比べ十数万円少なくてすむためです。

「株式会社」が有利な点

①外部に対する信用力

経営者など、普段から会社の法律に接している方と違い、一般の消費者や取引先などの外部の方にとって「合同会社」という形態は、まだまだなじみがないのではないでしょうか?

その点「株式会社」は広く周知されており、仮に新規の取引を開始する場合等を考えてみても、相手に余計な不安感を与えることがありません。「自分の会社に対して、安心感を持ってもらいたい」という場合には「株式会社」を選択したほうがよいと思われます。

②組織が拡大しやすい

「合同会社は小規模な事業に適した組織形態」といわれます。なぜなのでしょうか?

先程もお伝えしましたが「合同会社」は「オーナー=運営者」である「社員」で構成されています。事業が大きくなってきて「運営者」を増やそうとすると「社員」を増やすことになるため原則として「オーナーと運営者の両方を増やす」ことになります。事業に参画する人に「自分の事業」という責任感を持って参画してもらえる一方で、事業のオーナーを無造作に増やすことは「事業に対して意見できる人」を増やすことになるため、経営方針がまとまらないなど、会社にとって混乱や不利益につながる可能性も高くなります。

これに対して「株式会社」は「オーナー≠運営者」であるため「運営者」を増やそうとした場合、「運営者(取締役)」だけを増やすことも可能です。将来的に、組織を拡大していきたいという希望がある場合には「株式会社」の方が柔軟な設計が可能です。

税務上の取り扱いは変わらない

実は税務上の取り扱いは「株式会社」と「合同会社」で大きな違いはありません。目の前の設立費用だけでなく、将来の組織設計など社長の長期的なビジョンも視野に入れながら、会社形態を決めていく必要があります。今回ご紹介した会社の種類による有利不利も参考にしてください。

松橋丈雄(税理士・長野市)

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