「クラウド会計ソフト」知っていますか?
会計ソフトですので、会社の経理業務で利用するソフトですが、従来の会計ソフトよりも便利に使えるようです。果たしてクラウド会計ソフトとはどんなものなのでしょうか?
・クラウドサーバ上にデータが保存される
・インターネットの環境が必要
クラウド会計ソフトは、名前のとおり、クラウドサーバ上で利用する会計ソフトです。そのため従来の会計ソフトのように、それぞれのパソコンへインストールするのではなく、インターネットのブラウザに専用IDとパスワードを入力して、それぞれの会計データにアクセスする仕組みになっているのが特徴です。
従来の会計ソフトを利用している方は、経験があるかもしれませんが、会計データのやり取りって、ちょっとしたことでインストールできなかったり、決算後の更新が進まなかったり、小さなことのようで、大きなストレスになる場合もありますよね…(汗。
特徴でも述べましたが、クラウド会計ソフトを利用すると、データはクラウド上に保存されることになります。このクラウド上のデータは会計事務所も共有することになるため、会計データのやり取りが不要になるのです。月々のデータチェックや決算データの更新などが自動的に進んでいくため、必要なときに試算表や決算書がスグに出力できる体制にすることも可能になります。
多くのクラウド会計ソフトの機能に「レシート取込」と「IB(インターネットバンキング)連動」「クレジットカード連動」があります。
「レシート取込」とは、経費のレシートを画像データにして読み込ませることで、必要な項目が判別されて、会計仕訳が作成されるという機能です。手書きの領収証は読めなかったり、読込の精度としては、現時点ではまだまだ発展途上の面がありますが、電話番号をキーにして店舗名や勘定科目が自動的にデータベース化されたり、同じ取引の二重登録防止機能があったりと、経理の効率化に有効な機能が備わっています。
軽減税率が導入され、8%と10%の複数税率を入力するなど、経理の現場はいままで以上に事務作業の負担が大きくなります。今後、複数税率の取引の自動仕訳作成などの機能が強化されることも予想されます。
「IB連動」や「クレジットカード連動」もレシート取込と似ていますが、銀行やクレジット会社のデータを読み込んで会計仕訳を作成する機能です。こちらはレシート取込に比べると精度が高く、取引のデータベース化が行われるため、使うほどに作業が効率化されていきます。
クラウド会計ソフトを利用するその他のメリットとして「法改正などへの対応が迅速」「インターネット環境があれば、作業場所を選ばない」「万一パソコンが故障しても、データは安全に保存される」などが挙げられます。いずれもクラウド環境を利用していることによるメリットですが、バックオフィス業務に係る手間やリスクを削減し、本業に集中することに役立ちます。
どんなことでも新しいことを始めるときには、相応の手間とコストがかかります。利用している会計ソフトを切り替える際にも同じことが言えます。レシート取込やIB連動など便利な機能がありますが、便利に利用できるようになるまでには、準備や初期設定などが必要です。会計事務所と顧問契約を結んでいる場合には、相談しながら二人三脚で進めることで導入をスムーズに行えると思われます。
従来型の会計ソフトの場合、パソコンにインストールするための「ソフトの購入代金」が発生しました。クラウド会計ソフトの場合には「サービスの利用料」を支払うため、利用している期間は利用料が発生し続けることになります。利用料は各ソフトで異なりますが、月額1,000円台~が多いようです。
クラウド会計ソフトを利用する場合、クラウド上にあるデータにアクセスするため、常にインターネット環境が必要とされます。現在ネット回線を契約していない場合には、新たに回線を契約する必要があります。
いかがでしたでしょうか?「クラウド会計ソフトは便利そうだな」と感じたのであれば、利用してみましょう。当初の数か月は無料プランが設定されているものもあります。
また、クラウド会計ソフトが登場した当初は、freeeやマネーフォワードなどベンダーが限られていましたが、普及してきた現在は従来からある会計ソフト会社もクラウド会計ソフトを提供しています。ご検討ください。
松橋丈雄(税理士・長野市)
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