2019年10月から消費税率が10%上がりました。今回の増税では、税率が変わったことに加え、一定の条件を満たす食料品や日刊新聞の購入について「軽減税率」制度が適用されているため、消費者や各事業者の「現場レベル」では混乱しているところも多く、社会全体が慣れるまでは、まだしばらく時間がかかりそうですね。
消費税の陰に隠れてなかなか注目されませんが、実は自動車に関する税金も2019年10月から改正されています。今回は、自動車に関する税金がどう変わったのか、ご紹介します。
「自動車税」は、毎年4月1日現在のクルマの所有者に対して課税される税金で、5月上旬に納付書が各都道府県から自宅の住所や会社の所在地に郵送されてきます。納付期限は5月31日となっています。20代のころ、納付時期がゴールデンウィークの後であるため「連休に思いっきり遊んで、納付するお金がない」という経験をしました(汗。ただ、未納付のままでは車検を受けることができなくなってしまうため、忘れずに納付しましょう。
自動車税は「排気量」によって、課税される金額が異なります。たとえば、排気量が1,500cc超2,000cc以下のクラスの場合、改正前の税額は39,500円でした。これが改正後は36,000円(△3,600円の減税)となります。そのほかの税額は下記の表をご覧ください。(以下図表はすべて総務省公開資料からの出典です)
今回の「自動車税引き下げ」の対象となるのは「2019年10月1日以降に初年度登録したクルマ」となっています。10月以降に購入した新車が対象となりますのでご注意ください。
自動車購入時に課税されていた「自動車取得税」が廃止され、2019年10月1日以降は、新たに「環境性能割」という税金が課税されることになります。この「環境性能割」もクルマを購入した際にかかる税金です。税額は「燃費基準値達成度」に応じて決定される仕組みになっています。
「環境性能割」は10月1日以降に購入される「新車・中古車を問わず」課税されます。
2でご紹介した「環境性能割」ですが、来年2020年9月30日までの1年間に限り、軽減されることとなっています。通常の税率に比べて、非課税枠が広がり、また税率も低く設定されています。クルマの購入を検討している場合には、この期間内に購入すると環境性能割の納税額を抑えることが可能です。
「グリーン化特例」とは、一定の燃費性能のある乗用車について「購入した翌年度に課税される自動車税の税率を軽減する」という制度です。燃費のよいクルマを購入した場合には、2年目の自動車税が安くなる、という購入した方にとっては”うれしい制度”ですが、この制度が2021年4月以降見直されることになりました。対象の範囲が狭められ「電気自動車等限定の制度」になります。
今回の改正では、これまでご紹介した4つの見直しがされています。現状の税制の移行期にあるため、クルマの購入時期によって受けられる優遇の程度に差があります。
今回の改正をまとめるとつぎのようなスケジュールになります。
スケジュールを見ると、3つの軽減制度すべてを受けられるのは「2020年9月まで」となっています。「クルマの購入を検討している」という場合には、この軽減制度の適用期限も考慮していただければと思います。
松橋丈雄(税理士・長野市)
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