会社を作って起業するためには、たくさんの準備事項があります。
私たちの事務所にご相談に来られる方たちも
起業準備に追われてお忙しい人が多いのが実情です。
そこで今回は、法人設立時に提出するべき税務関係の書類を
ご紹介します。ぜひご自身の開業時にお役立てください。
法人設立届は、管轄の「税務署」「県税事務所」「市役所」の3か所に提出します。
法人の決算の際には、この3か所が申告先となるため、新たな法人が設立されたこと
を届け出ます。
この申請書は、青色申告をする場合に管轄の税務署へ提出する書類です。
青色申告は、税務上のメリットや特典が多く、忘れずに提出したい書類となります。
法人設立第1期目から青色申告の適用を受けたい場合には「会社が成立した日(設立した日)」と
「第1期目の事業年度終了の日」のどちらか「早い日」までにこの申請手続きを
完了する必要がありますので、ご注意ください。
会社を設立すると、取締役であっても社員であっても「会社から給与が支払われる」ことに
なります。給与からは、源泉所得税を天引きして国に納付する必要があります。
これを「源泉徴収事務」といいます。
源泉徴収事務がスムーズに進むためには、税務署側でも「この会社は源泉徴収事務が
ある会社だ」という登録がされる必要があるため、この届出書を提出します。
これは「3.給与支払い事務所の開設届」と関連する届出書ですが、
給与から天引きされた源泉所得税は原則「毎月10日を納付期限」として
国に納付する必要があります。
ただリソースが限られている中小企業にとっては「できる限り事務手続きは
簡略化したい」というのが、経営者の方の本音です。
そこで、源泉所得税については「納期の特例制度」が設けられています。
この届出書を提出することで、毎月納付から「6か月分を1年に2回納付する」方法に
変更することが可能です。
納付時期は、7月10日と1月20日の年2回です。
6か月分ですので納付金額はまとまりますが、事務手続きは簡略化することができます。
これは「インボイス」の登録申請書です。まず最初にインボイスに登録することは
会社の「選択」ですので、「義務」ではありません。
登録が必要かどうかは、「会社の行っている事業内容」によって異なりますが、
一つの判断基準は「BtoB(事業者向けの事業)」か「BtoC(一般個人向け事業)」かで
異なります。
たとえば、飲食店を行っている会社であっても「接待等で利用される機会が多い割烹店」は
「BtoB」の事業ですのでインボイスの登録は必要になりますが、
「休日に家族で利用するパスタ店」は「BtoC」の事業ですので、基本的にインボイスの
登録は不要です。
インボイスに登録する際の注意点としては、登録することで「消費税の申告納税が必ず
必要になる」という点です。内容は長くなるため、この記事では詳述しませんが、
この点も踏まえて「インボイスに登録するか」をご検討いただければと思います。
この届出書は、提出が必須というわけではありませんが、提出しておくと
納税手続きが効率的になりますので、オススメしています。
「ダイレクト納付」とは、国税や地方税の税金の納付をインターネットバンキングを通じて
パソコン上で行える納付方法です。
原則は、紙の納付書を持って銀行窓口で納付しますが、ダイレクト納付ではパソコン上で
手続きが完了するため、銀行窓口まで出向かなくてもいい、という利点があります。
この届出には国税(e-tax:イータックス)と地方税(eltax:エルタックス)がありますので
届け出る場合には2か所に届出してください。
法人を新規に設立した場合には、税務上の届け出も多くの数が必要になります。
今回の記事をご参考にご提出ください。
また、お困りの際は税理士・会計事務所へお気軽にご相談ください。
※この記事は令和6年時点の法令に基づき作成しています。
松橋丈雄(税理士・長野市)
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