アリエリーとカフマンという二人の心理学者が行った
社会心理学の古い実験をご存じでしょうか?
この実験では、被験者を二つのチームに分け、
それぞれにパズルを解くよう依頼しました。
その際、一つ目のチームには解答を他の人に報告するようにし、
もう一方のチームには報告の義務を課さないというものでした。
結果として、「解答を報告する義務があるチーム」が、
より高いパフォーマンスを示したと報告されています。
これは心理学的に言うと「社会的報告効果」と呼ばれているものです。
特定の成果や行動を他者に報告することが、個人の動機づけや
パフォーマンスに与える影響を指す、というものです。
報告する義務や機会があると、自己の責任感が高まり、
結果としてパフォーマンスが向上するという効果のことをいいます。
心理学のような専門分野の話しとして聞くとむずかしいことのように感じますが、
言われてみれば、自分にも子供のころ、「親に結果を報告するから頑張ったテスト」や
大人になってからも「上司に良い結果を報告したいから仕事をがんばる場面」が
あったなー、と思いだしました。
コンサルやコーチングを依頼する意外な効果にも
同じものがあると思います。
経費や支払い、借入の返済を行って事業を運営していくために
どんな規模の会社にも「必要な売上高」がありますよね。
「社長は孤独」って言われますが、たとえばこの「売上のノルマ」を常に意識しながら
一人で事業運営していくのって、「ちょっとしんどいな」って思うときもあるんです。
そんなとき「報告する誰かがいる」ことでがんばれたり、モチベーションに
つながったりするんですよね。
仕事柄、社長さんには「毎月○○万円の売上が必要です」と目標売上を
お伝えしたりします。
それに対して「プレッシャーだなー(笑)」といいながらも
「がんばります!」と言ってくれるお客様が多いことは
大変うれしいことです。
社長さんが、売上に対して不安やプレッシャーを感じている気持ちが
わかる分、時には「おしりを叩く」係や「応援する」係として
事業が前に進む後押しができたら良いなと思って関わっています。
松橋丈雄(税理士・長野市)
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